マドリードからソウルへ移った理由は、声に出して言える一つだけ——BTS。同じ空間で七人の声を聞くために来た。留まることになったのは、それとはまったく別の、来てから始まった日常のためだ。
実家では言いにくかった決断
スペインで合格した大学は三校。ソウルはそこに入っていなかった。母には「SNUで国際関係を勉強する」とだけ伝えた。母はあのスペインの母親独特の「察してるよ」の顔で私を見た。勉強したいのは本当。そしてBTSが暮らす都市、MVが撮られた通り、ARMYがARMYに目で挨拶する街にいたい、というのも本当だった。
スーツケースを引いてSeoul駅を出た日、私は冷静でも勇敢でもなかった。ただ、バディの学生が迎えに来てくれていた点で、運が良かっただけだ。
本音で言うと、来た理由
Jamsilオリンピックスタジアムでのライブ、一回分。ビザが下りる前にチケットを買った。財テクとしては真似しないでほしい。
普通の学期のようで、まったく普通じゃなかった
平日は他の交換留学生と大差ない。
- 9時から英語トラックの講義
- 学生食堂のランチ、だいたい5,000ウォン前後
- 午後は韓英ミックスのグループワーク
- 夜は中央図書館で閉館時間まで
週末で話の向きが変わる。ファンサイン会(当選1、落選2)、弘大のカムバポップアップカフェ、聖水洞のファンメイド壁画。そして、寮でパジャマのまま終日ゴロゴロしていた土曜日もある。韓国の大学生活はバカンスではない。
ライブで見たあの夜
ライブはJamsil。海外ARMYが入場にたどり着くまでの工程は正直ラクではない。自分が片づけた項目を表にする。
| 項目 | 対応 | もう一回やるか |
|---|---|---|
| チケット抽選 | Weverseメンバーシップ+韓国の電話番号 | やる |
| 座席エリア | ランダム抽選、私は上段ゾーン | それでも嬉しい |
| ペンライト | 寮の先輩にレンタル | 次は自分で購入 |
| 終演後の地下鉄 | Jamsil駅40分滞留 | 靴だけは快適なもので |
公演そのものは言葉にしようとしない。行った人はわかる。まだ行っていない人は、自分の番で理解する。
移住を迷う海外ARMYに
毎週のようにDMで「ファンダム目当てで韓国に来て後悔していないか」と聞かれる。正直に答えるとこう。
- 音楽に動かされているなら、動いていい。入国審査で動機は聞かれない。
- でも留まらせるのは、授業、友達、注文を覚えてくれるキンパ屋、ちゃんと変わる四季だ。
- 一回のライブのために人生全体を設計しないでほしい。国を設計し、ライブをその中の火曜日に据える。
実務的なところでは、成績が伴うならGlobal Korea Scholarship(GKS)を早めに準備すること。各大学の国際部のカルチャーウィーク日程が推しのカムバック時期と重なるかも要確認。論文締切次第で、これはプラスにもマイナスにもなる。
まとめ
- BTSが理由で韓国に来た。恥ずかしくはない。
- ソウルは授業も家賃も実在する都市。ファンダムはその中の一本の糸、布全体ではない。
- 座席ゾーンよりも、長期的には奨学金と語学プログラムのほうが効く。
- 海外ARMYはすぐ互いを見つける。ソウルのARMYはもっと早い。
- 迷っているなら、まずは一学期だけ来てみる。観光と居住の差が、まるごとそこにある。